2015年7月3日金曜日

【コラム】カスタムライトセーバーの諸問題



お久しぶりです。ぜろすぴです。
本当に久しぶりの更新過ぎて、ちょっとブログの更新方法も忘れつつあるのですが…
今日はカスタムライトセーバーの取引についてちょっとしたお話をば…

今まで100件以上のカスタムライトセーバーの購入のお手伝いをさせていただいてきて、色々と思うところも出てきました。
これから買う方、もう買った方もお暇なら読んでいただけると助かります。



昨今、カスタムライトセーバー界は凄い広がりを見せてきています。
先日の6/6に水分農場組合へ出向いた際には本当に数多くのカスタムライトセーバーが見られて、同じく昔からのカスタムセーバー仲間であるAndersonさんと昔はカスタムセーバーなんて本当に俺らの間だけでしか見かけなかったけど…広まったもんだねえなどとまるで老後のお爺ちゃん同士の様な会話をしていました(爆

しかしながら一方でFX-Sabersのセーバーギルドのメンバーとしては少々看過できない問題も出てきてしまい…
先日ツイッターで長々とお話しましたが、いい機会なのでまとめようかと思います。


●FX-Sabersでのことのはじまり
まずここから話をしましょう。
カスタムライトセーバーとはマスターレプリカ社製のForceFXライトセーバーに満足のいかなかったライトセーバーオタク達によって試行錯誤され、最終的にYODA氏が生み出したワーキング工程に則って作られた遊べるライトセーバーレプリカです。
元々FX-Sabersは単にライトセーバーメインのスターウォーズオタク達の溜まり場であったのですが、カスタムセーバーの発祥の地であるという経緯から、今日ではワーキング仕様のカスタムブラスターとカスタムセーバーのメッカになっています。(単なるレプリカではtheRPFの方が凄い

それ故、フォーラム上ではセーバーの売買も盛んではあるのですが…その過程で事故も起こり、カスタムライトセーバーが実は危険であることが知られていきました。

めちゃんこ明るい

よくよく考えれば当たり前なのですが、カスタムライトセーバーは超高輝度LEDを使用しており、それを照らすためにさらにLi-ionバッテリーセルをそのまま用いています。
LEDはかなりの発熱をする強力なものですので熱を逃がすヒートシンクの適切な設置が必要不可欠です。さもないと只でさえ熱伝導のいい金属製のヒルトがどんどん高熱になったり、LEDが熱で焼け焦げてしまいます。
またバッテリーも熱すれば爆発&衝撃でも爆発のLi-ionですのでとにかく危険で、
内部にシャーシを設ける手法や、セーバー用の内部エレクトロニクス固定具なんかも作られたりしてどんどん工作の安全な手順の整備が進んでいきました。

その一方でPlectorLabsによる音声基盤の開発により、高機能化が進み、キルリチャージシステムの開発でセーバーからli-ionバッテリーを取り外す必要がなくなったものの配線段階の爆発などの事故はまぁまぁあり、
加えてフォーラム上での売買が盛んになれば盛んになるほど、売買先での事故やトラブル報告も増えて行っちゃいました…


●セーバー製作者の信用制度
セーバーの売買が盛んになるのはいいものの、取引先での爆発や輸送途中での破損、詐欺行為などのトラブルが多発するとFX-Sabersも立ちいかなくなってしまいます。
そこで登場したのが「FX-Sabers SABER GUILD」です。

丁度この頃から顧客の要望に応じてライトセーバーの制作、カスタムを行うカスタムセーバー屋さんが登場して来たのもあり、FX-Sabers側でのセーバーショップの登録と顧客による評価制度の導入をするようになりました。
加えてそうしてギルドに加入した店舗にはerv氏が入手が非常に難しいCrystalFocus音声基盤の優先的な配分をするようにしました。
信用できるお店なら得しかないシステムってことですね。

それ以外にも個人間でもFeedback制度を導入するようにし、問題のあるセーバースミスはギルド上に報告が来るようにしました。
一部では個人のギルドメンバーからの報告も受け付け、これでとりあえず事故の報告はだいぶ減ったみたいです。

現在のギルド登録ショップ達



●問題のあるセーバースミスが出てきた…
かつてはHyperdyne、UltraSabers、SaberForgeという3社はギルドのメンバーでした。
ところが、この3社はそれぞれ問題を抱えていて…
Hyperdyneは「CrystalFocus音声基盤は自分のところのサウンドボードのパクリだ!販売を取りやめろ!」と特許を申請したり、FX-SabersやebayでCF基盤の搭載されたセーバーの販売を止めさせようとしたり…
元々CFの方が登場は早かったのですが、どうにも独占したかったみたいです。
今では掲示板荒らしをしたって事でFX-Sabersのギルド欄から名前が消されています。


で、残りの2社のウルトラセーバーズとセーバーフォージですが…この2社は最終的に「追放」という形になってしまいました。



●ウルトラセーバーズの問題点

某サイトで手軽に通販出来るので、割と名前を聞くことが多い2社ですが、この2社は現時点ではギルドから追放をくらっています。
かつてはUltraSoundサウンドボードの開発などでFX-Sabersでも人気だったのですが…

まずウルトラは元々個人がやってた時はかなり丁寧でよい評判だったと聞きます。
あの頃はFXライトセーバーのカスタム品をメインに通販していました。
ところが大規模に生産し出すようになってから、
「ヒートシンクを六角ボルトを接着して代用(銅製ではない)」
「バッテリーパックをむき出しのまま(ヒルトに触れないように絶縁シートで包まない)」
「ハンダ付けを行わず配線を接着剤とテープで留めただけで代用」
「PVCチューブ製の割れやすいブレードホルダー」

他にも「メインLEDに集束レンズを不使用」など性能面でも微妙で…とにかく問題点が盛りだくさんでした…
Andersonさんのサイトで分解した際のレポートがあります。)

問題はそこからで、FX-Sabers上でも破損やら爆発報告が上がり、
ギルド側から改善しませんか?という通告が3回あったにも関わらず3年間そんな感じの販売を続け…
挙句自身のサイトに書き込まれた不良報告は片っ端から削除をかましたため…
最終的にギルドから追放の運びとなってしまいました。
(その際、「もう無関係で営業妨害にもなる」ということでFX上の批判記事は殆どが削除されています。)


●セーバーフォージの問題点

一見してよさげなライトセーバーを販売しているSaberForgeですが、日本の他のセーバー勢が批判しまくってる中、僕も実は一時期かなり仲良くしていました。
過去のTwitterを見直して頂けると分かりますが、今では「Redeemer」と名付けられたオビROTSセーバーですが、これを制作するための資料を渡していたのは僕だったりします。
個人的なやり取りで10本だけ作る!という話のはずだったんですけどね…

それはさておき、SaberForgeがギルドに初めて登場したのは「NJOシリーズのプリンセスレイアのライトセーバーレプリカのLimited Run」でした。
写真はYosshさんからお借りしました!
これ、僕も持ってたんですが、とにかくエッジの処理がされてなくて、ちょっと触っただけで手が切れます。
加えて発送はラップを3巻くらいしただけという適当梱包で、セーバーが中ではねまくって箱はベコベコ…同梱のスイッチ類は破損があったりしまくったそうでとにかく評判は最悪でした。
しかしながら初回は失敗なんて付き物ということでこの時はギルド内で多少問題になったもののやんわり注意がされただけでした。

問題はそこからで、正式にショップのページが開設されて、様々なセーバーを売り出し始めるとセーバーの端面処理に関しては雑ながらも治っていたものの、破損報告が相次ぎました。
基本的に彼のセーバーにはLEDホルダーというものがなく、ヒルトから熱を逃がすような作りになっているためヒートシンクも十分ではなく、揚句に「ブレードとヒルトでLEDを挟み込んで固定する」ような構造をとってました。ブレードを挿していない状態ではLEDがカタカタ言うのはこのため…
挙句に内部でバッテリーもプランプランの状態で浮いているだけでしたので、とにかく破損報告の多いこと多いこと。速いセーバースピンには耐えられない脆いセーバーでした。
パーツ同士の精度もよくなく、結局見た目だけのライトセーバーを制作し続け、注意も無視していたため結局ギルドから追放されてしまいました…。
セーバーフォージに関してはここ最近また触る機会があったのですが、うーむ…正直多少マシになったものまだ脆すぎるという感じでしたね。
ブレードも改善されてないし…


●ギルド追放によるデメリット
セーバーサウンドバンクの設定中…

とはいえ、ギルド追放されても機能面で劣っていないならウルトラやセーバーフォージからセーバーを買う方も多いと思います。
しかし、そうではありません。セーバーフォージやウルトラを私が購入相談される方にオススメしないのには理由があります。

かつてはUltraSoundなど、カスタムセーバーのサウンドボードには沢山の種類がありましたが、今日ではerv氏の「サウンドフォント形式」が広く一般化され、現在メジャーであるCrystalFocus、PetitCroutoun、CrystalShard、Prizm、Igniter、Spark全てがこの形式を導入しています。
これは基盤にmicroSDなどメモリを読み込ませるようにし、その上でメモリ内のライトセーバーのサウンド形式、コンフィグを全て統一したものです。
このシステムの導入により、現在のカスタムセーバーは「メインLEDの光り方、音声、音量、加速度・ショック・平行センサー感度」を全てコンピューター上で管理でき、最近ではメインLEDのカラーチェンジまで行えるようになりました。
また、セーバーオーナーはセーバーをコンピューターに繋ぐか、セーバー内のmicroSDをコンピューターに読み込ませることで自由にセーバーのサウンドを制作・書き換えが行えるだけでなく、
SaberSound.comからサポートを受けることで、現在数百種類に及ぶライトセーバーサウンドを自由に入れ替えることができるようになりました。

CrystalFocusなどのサウンドボードはこれらのサウンドフォントを9~6つまでセーバー上に保持することが可能で、
セーバーを起動する際のセーバーの角度によって起動音・収縮音を変えたり、
フォースの手つきをすることでフォース音をならしたり、
鍔迫り合い、ブラスター偏光音機能はもちろん。ルームライトとしてやジュークボックスにもなるBGM再生機能までつけることが出来ます。

要は一本あれば正直音をいじるだけで一生遊べます笑

しかしながら、ウルトラやセーバーフォージではこのサウンドフォントシステムの導入が不可能です。
ギルド追放以降、ウルトラのObsidianボードは確かにCFセーバーの真似をしてPC上でのコンフィグ変更・音声変更は可能になりました。
しかし、形式が固定されていて配布された音声しか搭載できず、加えてセンサーが加速度センサーのみなので、細かい調整ができず、フォース音声もありません。
セーバーフォージではサウンドバンクそのものがないため、ライトセーバーの音を変えること自体不可能です。
最新の面白いフォント、特殊なフォントが入れられないのはちょっと面白みに欠けますね…



●見た目だけは完璧!
ウルトラとセーバーフォージに共通しているのはいずれも「見た目は完璧」だということと「ちょっとの手間を加えることで良いものになる事」です。
セーバーを自分で組まない人や、初めてカスタムセーバーに手を出す方はまずこの2社が出来が悪いなんて思わないでしょう。
セーバーフォージに関してはLDMのMarkⅥを基にしたクリスタル入りのルーク/オビなんてのも出してますから尚更「いいもの」だと思ってしまいやすいです。

しかしながら、上述したようにカスタムセーバーは「危険なオモチャである」という事をオーナーの方々には知っていただきたいです。
先日の水分農場ではカスタムセーバーをエミッタープラグもささずに点灯し、振り回して人に向けている人も見られました。10WのLEDなんかを見続けていたら視力低下を引き起こしますよ…

決して安全なおもちゃではないからこそ、より慎重に扱うこと・組み上げることが大事で、ちょっとの手抜きが大事故につながるオモチャなのです。

それに高機能で、FXの様に脆くなく明るいオモチャを目指したカスタムセーバーですが、人に渡して壊れたり、ケガさせたりしたら嫌ですよね?


スターウォーズは本当に愛されている映画で、ライトセーバーは色んな人を笑顔にできます。
だからこそ、渡す側も渡される側も安心して笑顔になれるような、オーナーの方々にはそういう心遣いをしてもらいたいと考えます。
その上で、あなたはセーバーフォージやウルトラセーバーズから購入しますか?今一度、考えていただきたいです。
安心して子供に渡せるライトセーバーを…

P.S.余談ですがVader'sVaultはとってもいいセーバーショップです。






ここからはちょっとニッチな話に…
●セーバー界隈の問題点
出来が良くてもノンライセンス…
ライトセーバーのレプリカ史に詳しい人はよくご存じだと思うんですが、セーバーメーカーって旧三部作の時代からたくさんありますよね。
ファンメイドではRomansEmpire、Larbel、Parks、OrbitalMachinings、日本ではPS-Studiosであったり、
公式ではICONS、MasterReplicas、eFXなどなど…

かつては沢山ファンメイドのライトセーバーが作られたものですが、EP1の公開時に大規模に取り締まられてLarbelはそのまま潰れてMasterReplicasにスタッフは吸収され…
Parksは販売しているセーバーのデザインを変え、生き延びたりしたわけですが…

スターウォーズはかねてからファン活動に寛容であるといわれてきたのに、新三部作で大規模規制をしたのは何故でしょう。
これは海外でのtheRPFやFX-Sabersでの通説ですが「商売にしてしまったから」とよく言われています。
もともとファンが勝手にセーバーを作ったりするのもグレーゾーンではあるのですが、それを商売にしたらその時点でレッドゾーンです。

なので、基本的にFX-SabersやtheRPF上で出回ったり、Limited Runがなされる劇中仕様のセーバーなんてのは大抵が誰かが作ったレプリカの改造品・ないしは「個人が趣味で作ったのを仲間内(メンバー向け)に数本作ったもののカスタム品」です。
有名なOrbitalMachinings製のセーバーや、LDMのMarkⅥなんかは後者、
Graflexを用いたセーバーなんかは前者に当たります。

「そんなの変な話だ!」「所詮通説」だと言われればそこまでですが、FX-Sabersはセレブレーションにも公認で稀に出展していて、制作したセーバーのレプリカを展示していたり、割と許されている感じがあることからあながちウソじゃないように思えます。

現在ギルド内で問題になりつつあるのはセーバーフォージが販売しているオビROTS/ANHや、ルークROTJがディズニーに目を付けられないか、ということです。
新たな三部作を目の前にしてFX-Sabersの面々が最も恐れているのはココです。
何事もなければいいんですが…



●じゃあカスタムセーバーってどう買えばいいんだよ!!


正直一番気になるのはここだと思います。
ですが、前項で述べたように劇中準拠のライトセーバーはモノによってはとても手に入りにくいです。
大量にヒルトが出回っているセーバーもあれば正直入手が難しいセーバーもあります。

ですがそれでも、
ルークANH/ESB→ParksのGraflexカメラフラッシュガンレプリカの存在により、入手が容易。どこでも買える
オビANH/ROTS→LDM Custom SabersはオビANHカスタムのプロです。彼に頼めばすぐ作ってくれるかと。
オビTPM→昨今は手に入りやすく、容易に手に入ります。
シディアス、ドゥークーなどその他→殆どがKorbanth氏とParksSabersで作成したヒルトが多数出回っており、入手は不可能ではないです。




と、とりあえず主要なライトセーバーは手に入れることは不可能ではないと思います。
長くなってしまったのでカスタムセーバーの買い方編はまた次回書こうかと思いますが、何か欲しいセーバーがあるのなら僕のツイッターにでも突撃して頂ければと思います。
とりあえず相談に乗ったり、紹介したりできると思います。



●最後に
日本のカスタムセーバー勢の間ではスターウォーズファンが言う「ジャージャーはクソ!」という様な文句と同レベルで「ウルトラとフォージはダメ!」というのが当たり前になってしまって、
折角、カスタムセーバーを買ったのに嫌な思いをした方も沢山いると思います。
※ちなみに自分は割とジャージャー好きです()

しかしながら、ある人は「どうせお金だすならよりよいものを買えよ!」というような気持ちであったり、ある人は「あの二社はセーバー界の敵」だなんて事を思っていたり、
要はあの二社に関してカスタムセーバー勢としては色々と複雑なのです。

個人的には、やはりあの二社のセーバーは好きになれません。
だからといって、折角ご購入されたものを無碍に扱う必要もないですし、初のライトセーバーです。ぜひ、大事にされるとよいかと思います。


でも、もしあの二社がよくないのだと知っているなら次回購入されるのはわざわざよくないセーバーじゃなくてもいいよね?
是非、カスタムセーバーによりのめり込んで、よりよいセーバーを手にして頂きたいと私としては思います。

余計なお世話かもしれませんが、これからのカスタムセーバーライフにフォースが共にあらんことを…
MTFBWY!



→次回、カスタムセーバーの買い方編。こうご期待!

4 件のコメント:

  1. ライトセーバーを購入しようと迷っている初心者の私にはありがたいコラムです。
    買い方編も楽しみにしています。

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  2. ライトセーバーを買いたいので、ぜひ買い方編を…

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  3. 「ギルド追放」と書かれると、ルーカス公認団体の、ライトセーバーパフォーマンス団体「セイバーギルド」から追放になったと勘違いする人がいるようです。
    日本にも「東京セイバーギルド」がありますが、そちらからの追放ではありません。

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  4. 最近カスタムライトセーバーに興味を持った者です。
    買い方編の方も待っています。

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